春の夜

この季節の夜中、
外の音が聞こえるか聞こえないかの音量で
好きな音楽をイヤホンで聴き、
誰も使用しない信号と雲を見ながら、
ガードレールに座り、タバコを吸う。


雨上がりだと
タバコの煙りはすぐ上には昇らず、水分を沢山含んだ空気のせいで停滞する。



この感じが堪らなく好きだ。



大学4年の時、
授業が終わり、
空いている部屋でギターとピアノと歌で遊んで、
自分の家には帰る気など起きずに、
友達の家へと皆で向かう。


今みたいな季節の日、
自然とみんな無言だった。

俺は就職活動はせずに、
ギターと生きていこうと
その時ちゃんと決めた。


多分、友達も色々なことを思いながら
無言で歩いていたのだと思う。



とにかく自由になりたい。

ギターを弾く理由も
自由になりたいから。


今日
終電に間に合うのに
わざと終電を逃した。


たったこれだけで、
何故か少し自由になれた気がする。

そして、自分と向き合う時間が生まれる。




それにしても
信号って意外にデカイ